認知症高齢者への接し方

2017/03/27

子ども扱いしない

認知症になってしまった高齢者とコミュニケーションを取ることは大変な作業かもしれません。しかし超高齢社会では、認知症高齢者の数が今後も増えていくことが考えられます。もちろん介護職の仕事を通じて認知症高齢者と接する機会も増えるでしょう。その際に間違った対応をしないように、基本的な対応の仕方を理解しておきましょう。
まず「子ども扱いをしない」ということが大切です。認知症高齢者は赤ちゃんや子どものように振る舞うことがあります。そのため、認知症高齢者に対して子どものように接してしまう人がいます。しかし、認知症高齢者は幼い頃の記憶と現実が混在することはありますが、決して子どもに戻っているわけではありません。子どものように見えるから子ども扱いをするのではなく、あくまで「人生の先輩としての高齢者が、認知症という病を抱えている」という現実を忘れずに接するようにしましょう。

認知症高齢者への接し方

気持ちを理解しよう

認知症高齢者は、自分が認知している状況、つまり見たり聞いたりしている状況と現実が乖離しています。そのため、周囲にいる人は「おかしなことを言っている」と感じてしまいます。しかし認知症高齢者の立場から言えば、「現実のほうがおかしい」ということになります。例えば自分は会社帰りに帰宅をして自分のベッドで寝たつもりが、起きてみると全く知らない場所にいた…このような経験をしたら驚くし、混乱すると思います。認知症高齢者の方々は毎日このような経験をしているようなものです。認知症高齢者の方の行動を非難の目で見るのではなく、本人も大変なのだということを理解して接するようにしましょう。

制止や否定をせず、話を聞こう

認知症高齢者の方は、先述した通り自分の認知と現実が乖離しています。自分が正しい行動をしているつもりでも、周囲の人からみるとおかしな行動をしているように見えます。認知症高齢者のしていることが理解できないために、行動を止めるような「制止」を行う人も多いでしょう。
また、認知症高齢者が話をしていることが、周囲の人には理解できないことがあります。自分の子どもを他の人と間違えて会話をするケースなどがそうです。そのような場面で「そうじゃなくて、あなたのお子さんですよ」などと「否定」をしてしまうかもしれません。しかし、制止や否定は認知症高齢者を不安な気持ちにさせてしまいます。認知症高齢者にとって、その言動の根拠は認知している現実だからです。そこで、認知症高齢者がなぜそのような行動や発言をしているのか理解するように心掛けて、じっくりと「話を聞く」ことが大切です。そうすると、なぜ目的とは違う場所へ行こうとするのか、なぜ他人と間違えて話をしているのか、その理由が見えてくるようになるでしょう。忍耐強さが必要な作業ですが、認知症高齢者とコミュニケーションを取るために大切なことです。

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